ステンドグラスに対する考え
~ビトロの想いとお約束~
ステンドグラス制作を始めたきっかけや、お仕事に対する姿勢、考え方の原点をご紹介させていただきます。
私がステンドグラスを始めたきっかけは、17歳の時に近所に制作会社があり
そこにバイトで行き出したのが始まりです。
ステンドグラスという存在すら知らずに、この世界に入りました。
技術の習得に夢中になり、月日が過ぎていきましたが、
22歳の時に、絵付けの技法を学びにフランスへ留学する機会を得ました。
そこでたくさんの刺激を受けました。
絵付けパネルの制作の合間で、ガラス工場や教会・お城の見学をしました。
ガラス工場では、アンティークガラスの製造過程を見学しました。
1枚1枚吹きガラスで筒を作り、それを窯の中で板状にしていきます。
出来上がったガラスが綺麗に色が出ているかなどの検品も厳しくされていました。
職人さん達の真剣な眼差しを見て、「私はこんなにも一生懸命作られたガラスを作品にしているのか」と責任のようなものを感じました。
ステンドグラスはつなぎ合わせてから、色を付けていると思われてる方も多いですが、1枚1枚色のついたガラスを切って、ハンダや鉛線でつなぎ合わせていきます。
種類だけでも800を超えます。
そんな職人さん達の想いがこもったガラスを無駄にしてはいけないと思いました。
それは、デザインから作品になるまでもそうですが、技術の面でも失敗を減らさなくてはいけないと、そう思いました。
教会で見たステンドグラスは、とても神々しく歴史の重みを感じました。
ステンドグラスは1000年以上も前からあります。
初めは大きなガラスを作る技術がなく、小さなガラスをつなぎ合わせて
大きな窓を作ったのが始まりだと言われています。
その後、教会で字の読めない人たちのための、絵解き聖書としてステンドグラスが使われはじめました。
光と神への憧れが作りだした芸術です。
その教え継がれたものへ関わってる自分。
私も少しでも後世へ繋げていくことを考えなければいけないと、最近思うようになりました。
良いものだから続いていく。
でもその裏では、次の世代へ繋げていった、たくさんの人の想いがあります。
私もその中の1人になれたら、今まで続けてきた意味があると思います。
現在では、キリスト教など関係なくインテリアとして広まっています。
ステンドグラスパネルを窓に入れると、季節や時間によっても様々な表情を見せてくれます。
床や壁にもガラスの色が広がり、幻想的で癒されます。
ステンドグラスランプは明かりを灯すと、そこに温かな色が浮かびあがります。
毎日の生活の中では必要のないものかもしれません。
しかし、ちょっとした彩りを日常に取り込むことによって、心豊かな時間を手に入れることができます。
花を部屋に飾るように、心が華やぎます。
ステンドグラスの制作は、とても手間のかかるものですが
少しでも多くの人に、その美しさを感じてもらえるよう制作してます。
みなさんの生活にも、上質で艶やかな彩りを加えてみませんか?
そのお手伝いを、私はしていきたいと思っています。