こちら、1998年に制作させていただきました
旭川私立藤女子高等学校 クサヴェラ館
当時私は独立まもなくて、建築関係の会社に営業まわりをしていました。
しかし、22歳の私は、営業が苦手で苦手で(今もですが)
営業の途中で心折れてしまい、母校の藤女子高校の前を通りがかった時に
なんとなくふら~っと寄ったんです。
そんなに先生に覚えていてもらえるような素晴らしい生徒ではなかったんですが
なんとなく、ふら~っと車のハンドルをきり、寄ってみたんです。
そしたら当時の先生に「和泉今何してんの?」って聞かれまして
「ステンドグラス作ってるんですけど~」と答えると
「校長室行きな!」と連れていかれまして、校長先生にお会いしたら
ちょうど礼拝室など入った施設を作るところだったようで
ステンドグラスを海外から輸入するか考えていたらしいんです。
「あら、卒業生に作ってもらえるなら嬉しいわ」と、お仕事をいただきました。
こんな感じの絵付けのステンドグラスやバラ窓のデザインのものも入れさせていただきました。
で、落成式がありまして、それも呼んでいただき
業者さんたちが来るくらいだろうなぁと思っていたら
全校生徒の前で感謝状もいただきまして、驚いた記憶があります。
で、その落成式には藤学園のシスターの方たちもいらっしゃり
札幌のシスターが「うちにもぜひ」とのことで頂いたお仕事がこちら(2001年)
札幌藤女子大学 玄関ホール
で、その札幌のステンドグラスを見た青森のシスターから
こちらのお仕事をいただきまして(2001年)
青森聖母園マリア院聖堂
で、札幌のシスターからは「今度マリア院作るんですよ」とこちら(2003年)
札幌藤女子大学 マリア院
で、さらにその後「学校内の礼拝室も新しくします」とこちら(2006年)
札幌藤女子中学・高等学校 礼拝室
で、2014年には藤学園出身のお客様が
サイトの藤女子大学のステンドグラスを見て
昔を思い出しましたとご注文いただいたのがこちら
千葉県H邸
なんだか、仕事って繋がっていくんだなぁと実感させていただけるお仕事でした。
その初めの旭川藤女子高校が今年いっぱいで無くなってしまうことになりました。
来年度からは名前も変わり、共学になるようです。
今日は校長を務めていらっしゃったシスターが札幌へ行かれるとのことで
OB会があり、20年ぶりにクサヴェラ館におじゃましてきました。
私の母校でもありますので、なんだかとても寂しいです。
思春期に女子高で過ごし、とても楽しかったんですよね。
地元では有名な厳しい学校でした。
「今どき?」と思うような校則であったり、カトリック校ということもあり
キリスト教と作法を学ぶ「宗教の時間」もあったり。
私はキリスト教ではないんですが、とても勉強になりました。
自分の娘はぜひ藤高に通わせたいと思っていたんですが叶わず。。。
旭川から女子高がなくなってしまうのはとても残念です。
「藤」の精神が繋いでいってくれたお仕事。
実績がなかった私には、その後の仕事にもとても影響がありました。
公共施設での実績がないと、なかなかそのようなお仕事はもらえない事があります。
22歳で独立した時の夢は「10年後には1つでも公共施設ができたらいいなぁ」と思っていたんです。
制作会社時代には公共施設ばかりでしたが、独立の時点でその実績は0になります。
10年後に夢見たことが、たまたまふら~っと立ち寄った母校ですぐに叶うとは思ってもいませんでした。
本当にありがたいです。