3月にミュシャの「桜草」のステンドグラスパネルを制作させていただきました。
幅70cm×高さ145cmの大作です。
ずっとミュシャのステンドグラスを家に付けたいと思っていたお客様よりご依頼を受け、制作しました。
「絵付け」というガラスに絵を描いて窯で焼き付ける技法で制作しました。
頭部も線を描いて色を付け、何度も窯で焼いております。
まずは線を描いて焼きます。
次は髪の毛の色を付けて焼きます。
さらに濃い茶を乗せて焼き、緑を描いて、髪飾りの金色を付けて焼き、赤の乗せて焼き
と、6~7回焼いています。
肌色の部分も
これくらい薄い色のベージュだったのですが
これでは色が薄すぎるので裏にエナメルのライトベージュを全面に塗ってみました。
で、これくらいまでの肌色にしました。
とても満足です。
通常、制作には2~3ヶ月かかりますとお伝えしていたのですが
窓のサイズが確定するのが工事の後半になるので
(図面上と実際のサイズは数ミリ変わることがあるので、実際にサッシが付いてからサイズをお知らせいただきます)
制作期間は1ヶ月半でした。
これは、なかなかハードでした。
と言うのも、窯がそんなに大きくないので焼けるパーツ数が限られているんです
こんな感じで40cmくらいの棚板に乗せて焼くんです。
2段とかで焼けるのですが、2段目が温度が低いんですよね。
始めの方の線画などは2段でどんどん焼いていくんですけども
最後の仕上げの焼きは1段で仕上げないといけない。
制作が始まったのが2月20日頃。
型紙作って~ガラス発注して~ガラスカットして~
線描いて~焼いて~
ってしてまして、3月10日くらいに「ちょっとお休みしようかな」と1日お休みして、なんとなく窯のローテーションを考えたんですよね
そしたら、1日に2回窯に入れないと間に合わないと気づきまして。
窯にスイッチを入れて2~3時間で670℃とかでスイッチ切るんですが
窯を開けれる温度まで下がるのに7時間くらいかかるんです。
てことは、朝の5時半に1回目のスイッチを入れないと、夕方入れれないとなりまして
そこからは2週間くらい5時半出勤でした。
3月末ころには焼き終わりのパーツも出てきて組立です。
こんな感じで鉛線で組んでいきます。
このあと接合点をハンダしてパテ埋めて、磨いて~~~と作業が続いていきます。
4月6日くらいには完成しまして、発送でした。
が、発送も手こずりまして。
運送屋さんによってはステンドグラスは受け付けてもらえず
家具専門の業者にお願いしまして、梱包から1週間ほど後にやっと配送でした。
何年か前までは普通に送れたんですけどね、最近は大きな作品はいろいろと厳しくなってきてます。
予定よりも少し遅くなったんですが、お客様も待ってくれまして
無事設置していただきました。
絵付けの仕事はなかなかないので、とても楽しかったです。
このような機会をいただけて感謝です。
サイトでも紹介しております。
東京都武蔵野市O邸 2020′