今回は、ティファニーのランプの制作工程です。
ティファニーは、型紙とモールドのセットになってますので、そんなに難しいこともないのですが
ちょっとしたワンポイントアドバイスを書いてみようかと思います。
今回はチェストナッツ(チェスナッツ)です。栗の木のデザインのランプです。
型紙とモールドはこちらを使いました。
オデッセイシステム S121
型紙は、コピーして使います。
2枚用意して、1つは、パーツごとに切って、ガラスに写す用。1つは、形をチェック用。
そして、ミニクラウンも必要です。
BRミニクラウン
ガラス選びとガラスカット
チェストナッツは、いろんな色でみなさん作られてます。
私は今回、黄色・赤系で作りたいなぁと思いまして
選んだガラスはこちら
45cm×70cmくらいで足りました。
電気を付けると、上のような色になりますが、消すとこんな感じ。
電気が付いたときに、どの辺にどの色合いが欲しいか考えるので
ライティングテーブルに置いて、色を見ながら型紙を描いていきます。
ライティングテーブル等のない人は、自然光にかざしながらでもいいですね。
下の方を赤くして、上の方は黄色っぽいとこで。。。と考えました。
緑はこちら
25cm×35cmくらいで足りました。
材料販売のサイトでは緑ばかりですが、実物はブラウンも混ざってますので
こちらも場所を選びます。
ガラスのカットをします。
このタイプは3枚ずつ切ります。3面がぐるりと繋がって出来上がります。
ルーターで削るのですが、モールドに合わせるか、型紙に合わせるかなんですが
今回は型紙に合わせてみました。
線の中におさまるように、削ります。
ちょっとはみ出てる感はありますが、立体になるランプはけっこう隙間があきますので
こんな感じで大丈夫です。これでも、小さいくらいかなぁ?と思いつつ、進めていきます。
ハンダに入りますよ!
テープ巻きが終わりましたら、いよいよハンダ付けです。
このモールドには、番号がついていないので
型紙を見ながらモールドにも番号をふりました。
ガラスには番号つけてますのでね。
画像は途中ですが、全部に番号書きました。
で、ガラスを留めていきます。
タッキーワックスとかあるんですが、今回は、これを使ってみました。
ねり消しゴムのような感じです。手でちょっとこねてから、ちぎって、貼りつけれます。
タッキーワックスだと、熱湯をかけてモールドから外したり
両面テープも結構くっつきがしっかりしてて、モールドからステンドグラスを外すのに苦労します。
これ、なかなか使いやすいです。
ポチポチと置いて
ガラスをグーッと押さえつけるようにすると、くっつきます。
大きいパーツはペタットを3か所とかにつけてください。
全部付きました。
隙間の多すぎるところは、全体的にちょっとずらすと、少し詰めれます。
そうしたら、ハンダで仮留めです。
このランプはカクカクしてますのでこのような隙間があるとこもあります。
まぁ、このままハンダで埋めてもいいんですけども。。。
今回はちょっと浮かせて、バランスとりました。
こんな感じですね。
でも。。。ガラス切りの段階で心配してたとおり、結構な隙間ができました。
こうなっちゃうと、ボタボタ、ボタボタとハンダが下に落ちますよね。
そういう時は、溶かす前のハンダを乗せて
で、溶かしずぎないようにならしていきます。
穴が埋まったら、ハンダを足して、ふっくらさせます。
コツは、コテをあて過ぎない事ですかね。表面だけを溶かすイメージで乗せていくと
ボタボタ落ちません。
さぁ。表のハンダが終わりました。
モールドから外しましょう。
モールドを内側に押す感じで、グイグイ引っ張ると外れます。
内側にペタットが残ってますので、ティッシュで取りました。
モールドの方も、取っておきましょう。
(プツプツついてるの、気持ち悪いですね。。。私、こういうの苦手です。。。)
その後は、食器洗剤でモールドを洗っておくとベタベタがとれていいですよ。
で、裏のハンダをします。
そんなに盛り上げなくても大丈夫です。ハンダもどんどん値上がりしてますのでね
裏はうっすら平らになってればいいんです。
表・裏が終わったら、縁のハンダです。
クラウンもハンダで付けます。
真鍮製なので、ハンダも楽にのります。
薬品で黒くします。
クラウンの仕上がりを真っ黒にしたい人は、クラウン表面に、薄くハンダをのせましょう。
私は、真鍮色が好きなので、していません。
でも、ブラックパティーナは塗りますので、なんとなく黒っぽくはなります。
チェストナッツの完成です
落ち着きある仕上がりになりました。
さぁ!点灯してみましょう!
ガラスの色が変わりますね。素晴らしいです。
ランプベースの高さは、38cmのものにしました。
45cmくらいまでの高さなら、バランス良いと思います。
クラウンの裏が、ネジ切りになってるので、ギボシを外して、
クルクルとランプベースに付けます。
ティファニーのステンドグラスについて
ルイス・カムフォート・ティファニーは、あの宝石で有名なティファニーのご子息で
ステンドグラスやガラス製品の素晴らしい作品を残した人物です。
1900年ころ、ニューヨーク・アール・ヌーヴォーの第一人者として名声を得ます。
ステンドグラスといえば、教会のパネルが主流でしたが
室内装飾としてのステンドグラスを生み出しました。
ケイム(鉛線)ではなく、銅でガラスを囲み、そこにハンダをすることで
細かなデザインも可能になりました。
昔は、銅板をガラスの周りに這わせ、叩いて倒していましたが
現在は、粘着剤付きの薄い銅テープ(コパーホイル)ができて
制作は本当にラクになりましたね。
今でも、ティファニーランプの人気は高く
教室などで作られる方も大勢いらっしゃいます。
私は、オリジナルデザインでの制作をしてますので
ティファニーを作ることはあまりないのですが、自宅用に今回制作しました。
昔から愛される芸術に触れるのも、いいものですね。
木村 はるみ
3月 23, 2016 at 6:53 am
素敵ですね。ステンドグラス歴25年の東京在住木村です。このモールドいいですね。どこで入手できますか。教えてください。色合いがとてもいいです。
vitrail
3月 23, 2016 at 8:20 am
こんにちわ。
このモールド、デザインが素敵ですよね!
入手は、私の方で材料販売のサイトをしてますので
そちらでも購入できます。
コンフィアンスというサイトです。
http://confiance.vc/
文章内の、「これを使いました」などでリンク貼ってるサイトがそうです。
パーツも大きめなので、スイスイ気分よくできましたよ♪