ステンドグラスのデザインがどう浮かぶか。
とても不思議に思う人は多いようで。
私も、デザインに苦しむ時、「どうしてあの時は描けたのだろうか?」と
その時の自分を羨むものです。
公共施設のような、大作になると
いよいよ大変です。
旭川私立藤女子高等学校 クサヴェラセミナーハウス 1998′
この辺になると、もう寝てないんです。
寝てないというとウソですね。
布団では寝ないんです。
半分夢に入るような状態をキープしながら、デザインのイメージを
頭の中で形にしていくんです。
形にすると言うよりは、霧を晴らしていく感じが正しいですかね?
なので、床で寝るんです。
すぐに描けるように、デザインの紙を置いて
堅い床の上で、横になるんです。
寝に落ちる寸前で、止める日々です。
それが数日続きます。
8割がたのアウトラインが浮かんだら、もうちゃんと寝てもいいんですけどね。
残りの2割の細かな線は、集中力が大事なので、気を引き締めて取りかかります。
様々な線の法則性、表したいイメージが表現できるか?
制作はできる形なのか?
ガラスの大きさは、規制のサイズに収まっているのか?
強度は大丈夫か?
などの、制作の事も考慮しながらのデザインになります。
8割までを、頭の中で形にできるかが重要ですね。
5~6割で紙に描いていくと、自分の理想とは、全然かけ離れたものが
線となって表れます。
せっかくのアイデアも、ここで終了です。
最初のイメージ
「煌びやかにしよう」「スッと落ち着いた感じにしよう」
「柔らかなイメージで」「強さを感じるものに」
など、最初に決めます。
これは発注者の希望などで、決まってきますね。
だいたいは、デザインの要望を聞いている段階で
薄らとイメージされます。
人生と同じかな?
大きな理想や夢を描いてから、年単位、日単位に落とし込んでいく。
ステンドグラスのデザインも、そんなコツコツとした作業です。
「私にとっては」ですけどね。