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【vol.6】一作家として思うこと

作家ステンドグラスコラム by

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 ちょっと偉そうですが、物を作る者として思う事をお話したいと思います。

 ステンドグラスというと「教会に入っているもの」というイメージが強いために、「宗教的でイヤだ。」という方もいます。それと『ティファニーのランプ』のイメージが強くて「くどい感じがして嫌い。」という方もいます。
 『ティファニーのランプ』は、とても素晴しい物なんですが、好みがハッキリとわかれてしまうものですね。
 そういう芸術品も、とても価値のあるものですが、それにこだわりすぎず、その時代・地域・建物に合ったもの作らなくてはいけないと思います。

 私の好きな人で『フランク・ロイド・ライト』という建築家がいます。ライトの建物には、ステンドグラスが多く使われています。
 そのステンドグラスは、透明のガラスが多く使われ、幾何学模様で、とてもシンプルなものが多いです。その建物に自然に溶け込んだステンドグラスはとても素晴しいです。建築家だからこそ、全体を統一させたものの見方ができるんだと思います。

 ステンドグラスしか作っていないと、どうしても主張しすぎてしまう事があります。ステンドグラスだけを見ればとても良い物だけど、窓に入った時それだけが浮いて見えてしまっては意味が無いと思います。
 全体のバランスがとれていて、なおかつ素晴しいものでなくてはいけません。これは、かなり難しいです。

 ものを作るというのは、客観的な目を持っていないと、お客様の求めている物は作れないです。作り手の方に「これはこうだ!」と強く押し切られて、あまり気に入らなかったのに買ってしまったという話しを聞く事があります。押し付けて買わせているようで、なんだか悲しい気持ちになりますね。
 まったく自分の主張が無いのも良くないですが、「こういう感じのものが欲しい。」というお客様の考えと、自分の考えを合わせて作りあげていくのが、私は一番良いと思います。
 注文制作の場合、自分1人で作ったという考えはありません。お客様と一緒に作りあげていくものだと思っています。

(2003年/1月メルマガより 2003年/9月更新)

Category: 作家ステンドグラスコラム

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